愛知医療学院短期大学

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教員リレーコラム

春を待つ

石黒 茂 [作業療法学専攻]

「東京にはまさかがある。」という話を聞いた。まさかと思ったが、調べてみると本当だ。渋谷に「まさか(間坂)」があった。ただ、昔からある名ではなく、平成元年に一般公募でつけられた名称だそうだ。
「まさか」と言えば、「人生には上り坂、下り坂の他にもう一つ坂がある。それがまさかだ。」という言葉を思い出す。出典までは知らないが、かつて、安倍晋三氏が首相を退陣し、福田康夫氏にバトンタッチしたときに、小泉純一郎元首相が派閥の挨拶で使った言葉である。聞くところによると、瀬戸内寂聴さんも法話で使った言葉でもあるらしい。
今年に入って、異常気象や災害も含め国内外で起こった、政界、経済界、はたまた芸能界などでの驚きの出来事がいくつも報じられている。科学上の大発見もあった。それらの出来事も「まさか」の連続であると言いたいが、思わず「またか」と言ってしまいたい事も多い。今後どうなっていくか成り行きが心配である。
そんな騒々しい申年ではあるが、今年も卒業、入学のシーズンが近づいてきた。本学でも推薦入試等で合格が決まった学生を対象に、恒例の入学前スクールがはじまった。1日4コマの講義で3日間、かなりハードなスケジュールである。初日に、私も講義を行い、彼らと対面した。彼らも今は期待と不安で一杯だ。最初は緊張していた顔が、講義が進むにつれ、だんだん緊張がほぐれ、よい顔になってくる。フレッシュな面々を相手しているうちに、私もだんだんリフレッシュしていく気がする。
あと1か月もすれば、彼らも一般入試での合格者らとともに、晴れて本学の一員だ。「まさか」の学校生活を送らぬよう、しっかり入学に備えてもらいたい。
今年も、満開の桜の中で新しい出会いが始まるのを、待ち遠しく思っている。

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