愛知医療学院短期大学

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教員リレーコラム

ゲーム依存症・・・病気と認定

杉山 成司 [理学療法学専攻]

子どもから大人までスマホの普及は爆発的で、電車の中ではほとんどの人がスマホ操作に夢中になっている光景はありふれたものとなりました。何にそんなに没頭しているのか、ちょっとのぞいてみると結構ゲーム中だったりします。2019年5月、WHO(世界保健機構)は新たにゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたすような場合を「ゲーム障害」と認定し、ギャンブル依存などと同様に「精神疾患」であるとして、患者の全体像の把握や治療・予防への早急な対策を促しています。

WHOが掲げるゲーム障害の基本は、1)ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできない、2)日常生活でゲームを最優先させる、3)生活に問題が生じてもゲームを続けエスカレートさせるなどで、これらの条件に当てはまる状態が12ヶ月以上続くと依存症が疑われます。生活上の問題点としては、運動不足、栄養不良、欠席・欠勤、引きこもり、朝起きれない、昼夜逆転など、また、物に当たる・壊す、家族への暴力などもみられます。海外では、長期間同じ姿勢でいたため、飛行機搭乗時などに経験する、エコノミークラス症候群によって死亡した例も知られています。

我が国でのゲーム障害者数について、ゲーム依存を含むネット依存は推計420万人以上、中高生で90万人以上(過去5年間で倍増)といわれています。ゲーム障害の研究で実績のある久里浜医療センターの報告では、ネット依存治療部門を受診した人の約90%でゲーム障害がありました。最近、初めてゲーム依存の実態調査(対象は10歳~29歳、過去1年間でゲームをした4,400人)が行われましたが、結果は予想通り、ゲームに費やす時間が長いほど仕事や健康に悪影響を及ぼすことが判明。平日のゲーム時間は1時間未満が最も多く40%、2~3時間が15%、問題の6時間以上が2.8%でした。この内、ゲームを止められなかった人は、1時間未満の人が22%、6時間以上費やした人では約半数の46%にものぼりました。さらに、学業への悪影響が出ても、失職してもゲームを止めなかった人は、1時間未満で1.7%、対して6時間以上では25%と高率でした。

治療としてはカウンセリング、入院療法などが試みられますが、一般に経過が長いほど困難さが見込まれます。そこで、早めに疑いを持つあるいは予防することが重要になってきます。例えば、ゲーム開始年齢を遅らせる、ゲームの時間や時間帯を前もって決めておく、など子どもの意見を尊重しながらのゲームのルール作りが薦められています。最近はeスポーツなるスポーツを標榜したゲームが宣伝され人気を集めています。ただ、容易に想像できることですが、ゲーム依存への呼び水にもなり得ます。しっかり念頭においてご考案下さい。

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