愛知医療学院短期大学

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教員リレーコラム

「米百俵」

鳥居 昭久 [理学療法学専攻]

年度終わりになり、今年度を振り返ってみていろいろな思いが蘇ってきます。
一年前から順に、春、夏、秋、そして冬と振り返ってみると、本当に忙しくて、辛くて、しんどい一年だったような気がしてなりません。一方で、たくさんの経験をすることが出来て、僅かながらにも成長したかもしれないとは思う部分もある一年でもありました。
かつて、長岡藩(現在の新潟県)の小林虎三郎は、「人材育成こそが国の復興にとって肝要」と説き、困窮する中でも学校を建て、さらに支藩からの援助であった米百俵を金に換え、その学校の整備に使ったと...。たとえ、自らが飢えようと、先ずは将来のために人材を育成することが重要であること...を伝えている逸話であります。ここに教育の真髄があるのではなかろうか?と改めて感じる話だと思っています。
昨今、少子化の影響を受けて、大学入学定員に比して高校生が少なくなり、本学を含めて定員確保に頭を悩めている大学、短大は少なくありません。かつて、学ぶ場も無く、そのために賢人たちが尽力していた時代とは全く違う世の中ですね。しかし、だからこそ、根本的に、学校とはどうあるべきものであろうか? 教育とは何ぞや? そして、そこで教鞭をとる教員とはどうあるべきであろうか? を、自問自答している季節です。
話が大きくなりすぎましたが、そんな大学教育が云々と講釈を垂れる前に、先ずは自分自身がどう取り組むかを考えてみようと思います。私は決して優秀な教員ではありません。失敗することなど日常茶飯事で、反省ばかりの日々です。そして、学生たちから学ぶことが多い日々です。
先日、3年生が卒業しました。そして、この春には、また新しい学生たちが入ってきます。本学は決して豊かな学校ではありませんが、私たち教員が、米百俵の頃の先人たちと同様に、強い意志をもって教育に携わらなくてはならないことを、あえて自分に言い聞かせ、希望に満ちた若い新入生を迎えようと思います。

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