愛知医療学院短期大学

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教員リレーコラム

記憶に関する雑感

横山剛 [作業療法学専攻]

先日クルマで買い物に出かたとき、畑にネギやら大根のような野菜が沢山植えられているのを見ました。
物価高の中で、こんな野菜が自宅の畑にもなっていたら良いのに、と妻にこぼすと、
妻が「あれ?大根とネギ、植えたんじゃなかったの?」と。
「そういえばそうだった … 」とすっかり忘れていて、自宅に戻り早速畑の青々とした葉の大根を収穫しました。
(ネギはまだ小さかったので忘れないように待つことに。)
近頃忘れっぽくて参ります。

さて、こんな風に記憶の状態が私はあまり良くないのではありますが、
記憶に関して研究しています。
研究対象者の方に「どのような覚え方をするか」などと尋ねてみると、
「くり返し読む、見る、書く」というものが大半でした。
そして、その後に比較的簡単な記憶課題を行いました。
その結果、どうも「(自分の)記憶に対しての自信」がある人とない人では、覚え方が違うようなのです。
また、覚えたことを忘れてしまったという「(自分の)失敗体験」を自覚する人、
あるいは、している人は、覚え方が違うようなのです。
そして、そのような人は記憶成績も良好のようであり、学習に関してのモチベーションも高いようです。

「記憶に自信がある」という人が必ずしも記憶の状態が良好かといえばそうでもなく、
「物覚えが悪い」という自覚がある人のほうが良好であるようです。
そういった自覚が、その後の感情や行動、結果に影響を及ぼすのであろうと考えられます。

学習する際に、記憶は不可欠であります。
しかし、記憶すること自体がゴールではないはずですので、
「これを記憶したことで自分がどうなったのか、何が分かったのか」とか
「何は覚えているけど何を忘れやすい」など自身の状態を把握することや、
「忘れたことで失敗したことは"忘れたくない"」というような意識付けは、とても重要であると考えております。

どなた様でも学習する上でご参考になればと思っております。

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