教員リレーコラム

「巨人の肩の上に立つ人」

臼井 晴信[理学療法学専攻]

「巨人の肩の上に立つ」 文献検索サイトのグーグルスカラ―のトップページにある言葉です。 「巨人」とは、今までの数々の研究であり、それを成し遂げた研究者のことを指すと思います。 新しい研究は、その巨人の肩の上に立つものであり、巨人がなくては成り立ちません。 私も巨人の肩の上に立てるように今まで研究を行ってきました。 何回も肩から滑り落ちました。 肩どころか指にも触れられない研究もありました。 巨人から転げ落ち、巨人にはじけ飛ばされながら、研究をつづけました。 そこで新たに得たのは、「学ぶ楽しさ」と「発見する感動」です。 そんなこんなで、何とか世にいくつかの論文を出せました。 今、私の論文のうち一つは世界中で30編程度の他の研究者の論文に引用されています。(Research Gateによる) もちろん肯定的に引用している論文もあれば、否定的なものもあります。 他の研究者の議論を引き起こすことが、多くの研究の役に立ち、 それが結果的に多くの人に還元されます。 私でも巨人の肩の上に立つことができ、 たった30編の論文に対してですが巨人の一部になれたことは誇りに思います。 目に見えないような本当に小さな一部ですが。 そしてまた新たに巨人の肩の上に立てる研究ができるようにがんばります。 さて、愛知医療学院短期大学は専攻科を継続することになりました。 本学の専攻科を卒業した人が、今、次のステップとして大学院への進学を目指しています。 その人は、専攻科への入学をずっと希望していたわけではなく、ふとしたことから入学しました。 しかし、専攻科では自ら率先して学んでいました。 専攻科での学びを通して、「学ぶことや発見することの楽しさ」を感じたと言ってくれています。 専攻科を継続した以上は、ただ学位を取るだけではなく、 「学び発見する楽しさ」を感じられる教育をしたいと思います。 前述の専攻科卒業生は、 きっと新たに「巨人の肩の上に立つ」人になると思います。
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