教員リレーコラム

「災害エスノグラフィー」

清島 大資 [理学療法学専攻]

2019/10/1の大学行事報告でも記載がありますが、防災訓練の一環として清須市一場の地域住民の方々と一緒に「災害エスノグラフィー」を実施しました。災害エスノグラフィーとは耳慣れない言葉ですが、実際に災害対応をした方より当時の災害対応についてどのようなことをしたのかなど聞くことで教訓や知識を学ぶというものです。 今回、最初に阪神・淡路大震災の災害エスノグラフィー文章を読んでもらいました。この文章を読んで、災害対応で「初めて知ったこと」「前から知っていたこと」「改めて重要だと思ったこと」などを具体的に上げてもらい、災害対応についてイメージをもつことができました。また、災害では想定外の事態が多いということも認識することができました。その後、災害エスノグラフィーで得たイメージや知識、教訓を通して、自らの防災計画や防災マニュアルを見直しました。 今回の防災訓練では、災害エスノグラフィーと似たような状況が発生したら果たして自分たちの現状の防災体制で乗り越えられるのかを考えることができました。 私たち理学療法士・作業療法士は、リハビリテーションの専門職です。被災地でリハ専門職として具体的に何ができるのかを今後、しっかり考えていきましょう。なお、過去の大規模災害における理学療法士や作業療法士(以下、リハ専門職)の支援活動から、健康支援のうち、廃用や障害の重症化予防といった二次障害予防に関して、リハ専門職の視点からも介入できる要素があると考えられています。公益社団法人日本理学療法士協会からも災害に関する2つの報告書が出されています。興味のある方は、ぜひご一読ください。 ・平成29年度 地域保健総合推進事業 「災害時リハ支援対応に向けた行政理学療法士・作業療法士の課題と役割 -平時からの保健所・保健師等との体制作りへの提言-」 ・平成30年度 地域保健総合推進事業 「災害時におけるリハビリテーション専門職による保健活動マニュアル案とリハビリテーション専門職に対する公衆衛生テキスト案の作成」
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