愛知医療学院短期大学

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教員リレーコラム

「インフォームド・コンセント」

齊藤 誠 [理学療法学専攻]

近年の医療現場においてはインフォームド・コンセント(説明と同意)が求められています。医師は患者さんに対して病状や今後の見通しなどを説明し、適切な治療を提示することが必要であることはもちろんですが、理学療法士や作業療法士などのコメディカルにも実施するリハビリ内容や効果をしっかりと説明することが求められています。

 私は昨年まで病院に理学療法士として勤務し、今年度から本学にて教育に関わる立場になりました。約4か月間の経験ですが、学生の皆さんへ知識を伝えることの難しさを日々実感しています。科目によって異なりますが、8回~16回ある講義で伝えたことの何パーセント程度が学生に理解されたのでしょうか。

 さて、私の講義内容に関しては、これからも努力するとして...1つ、これまでの講義で考えたことは、臨床で働いていた時に説明した病態やリハビリについての内容は、患者さんに理解されていただろうかということです。

 私は、なるべく丁寧に説明し、しっかりと「伝える」ことで信頼関係を築けたつもりであっても患者さんに「理解してもらう」ことはできていなかったように思います。病気から生じている問題点とそれに対するリハビリ内容やリハビリを行うことで考えられるリスク、期待される効果などなど「伝える」ことは非常にたくさんあります。しかし、どんなに丁寧に説明したとしても患者さんに「理解してもらえる」のは、それほど多くないと思います(一般の方に医学はなじみのない分野であり理解するのが難しいという意味です)。一方、相手の「理解」に重点を置きすぎて、あまりにも「伝えない」とそれはそれで不誠実な態度になってしまいます。難しい問題であるからこそ、しっかりと考えていかなければと思いました。

 月並みですが、どのような場面や立場であっても自分の「伝えたいこと」と相手が「理解できること」、そのバランスを考えながら、双方向性に努力を続けることが信頼関係を築くためには重要なことではないでしょうか。

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